後藤惣一

子どもの想像力は、二つの言葉によって養われます。一つは耳から聞こえてくる言葉、もう一つは眼から入ってくる言葉、すなわち絵であり、光景であり、相手のしぐさや表情です。これら二つの言葉を同時に味わい、重ね合わせることによって、一層、生き生きとした絵を心の中に思い描くのです。 ** 字が読めないお子さんにはもちろん、読めるお子さんにも、ぜひ、絵本をただ与えるだけでなく、情感あふれる肉声で読み聞かせてあげてください。優しい息遣いと温もりに包まれ、耳と眼から同時に言葉を吸収することで、子供は物語と一体化し、真の絵本体験をすることができます。